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そう、あれは中学一年の時だったな。
まだキリカはいなくて私と雅、ワン子の三人だった頃だ。
私たち三人は幼馴染み。
交友関係もかなり広かったさ。
クラスはみんな一緒で休み時間や登下校、授業は楽しく喋ったりしてたな。
そんな中、夏休み明けにアイツが転校して来たんだ。
「樟葉キリカ……よろしく」
アイツは最初、今みたいなハイテンションじゃなくて暗い、いや周りを拒絶していたと言えば良いな。
誰が話し掛けてもアイツは完全無視か暴言を吐いて相手を近付けないようにしていた。
今でも私たち以外には暴言を吐いてるがあれでもまだマシだ。
私にも時々吐くけどアイツなりに言葉を考えて吐いてると私は思う。
話を戻すけど、当然私ら三人も話し掛けたさ。
結果は周りと一緒。
ただ一言、
「私に関わらないで」
とだけ言い放った。
私はブン殴ってやろうかと思ったが一先ず我慢したさ。
それからキリカは毎日学校に来ては退屈そうに空を見ていた。
「…………」
まるで何かを待ち続けているかのように――。
その時の私からすれば理解をするのが不可能だった。
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