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窓際後部に座るアイツから離れた位置で雅と話す。
「なぁ、雅」
今みたいに容姿が大人っぽくは無いが、素振りは大人そのものだ。
身長も私と同じ百三十近くだ。
中学三年間の成長はそれはもう凄かった。
何をしたらあんなに高くなったんだよ……。
「何ですか?」
「アイツってさ、いっつも外見てるけど何しに学校に来てんだろうな」
「私には分かりませんよ。キリカちゃんにはキリカちゃんなりに理由があるから外を見ているのでしょう」
「ふぅん……まっ、私には関係ねぇからな」
「またまた~、つづみはツンデレさんなんだからワン」
ワン子に関しては中学時代で容姿、性格が完璧に完成していた。
昔は意外とワン子が一番身長が高く、この頃はまだクラスで真ん中より少し大きかった。
ま、悪く言えばこの頃でワン子の成長は止まったんだが。
「だっ、誰がツンデレだ!」
「そんなに気になるんならアタシが交渉に行こうかワン?」
「お前は交渉とトラブルの区別もつけられんのによく言うな」
「何を馬鹿な事をワン。ちゃんと区別位つけれるワン」
「……じゃあ、その手に持ってるそれは何だ?」
ワン子の手には箒とちり取りが握られていた。
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