よんてんに、三年前のキリカと水留

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開いた口が塞がらない、ってのはこの事だったんだな。 雅のその姿はその当時大人気だったアニメ、『魔法学園アルレア』の主人公である『桑島ひな』の格好をしていたのだった。 『桑島ひな』というのは明るく元気いっぱいな女の子。 水色のツインテールをしており、身長は百四十近く、胸は絶壁である。 普段は制服を着ているのだが、悪の『シュナイダー』の手下が現れると魔女っ子となって箒やちり取りでそれを倒すのだ。 「なんつー格好してんだ!怒られるぞ!」 「大丈夫だワン。ほらっみやび、言った事をしてくるワン」 「あっ、はい」 雅はキリカの方へと近付いて行き、キリカの視界に入るように立つ。 「何?今忙しい……」 雅の格好を見た瞬間、見事に固まる。 そりゃ目の前にコスプレしたクラスメイトがいるんだもんな。 「私には忙しそうには見えませんが?」 「な、何て格好してるのっ!?怒られるよ!?」 「それよりお友達になりませんか?」 「はぁっ!?友達!?何で僕が友達を作らなきゃならないのさ!」 キリカが立ち上がって雅の胸倉を掴む。 あれはマズくねぇか?
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