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「とにかく追い掛けましょう。キリカちゃんを見失う前に」
「そうだワン」
果てしなく心配だなぁ……。
「いたワン」
校舎を出て、校舎裏で何かをしているのを私たちは発見した。
キリカはこちらに気付いておらず、屈んで何かをしているように見える。
「屈んで何やってんだアイツ?」
「さぁ?アタシは何かを撫でているように見えるワン」
何かを撫でている?
確かにそう見えなくはないが何を撫でているんだ?
「ほらっ、昼の余りだけど食べる?」
微かだが、キリカがそう言っているのが聞こえた。
「ワン!」
キリカの身体で隠れていた何かが吠える。
……犬か。
「詰まらんワン。アタシの口癖と被るワン」
「じゃあ変えろよ」
「それは断るワン。あれが犬じゃなかったら良かったのにワン」
ワン子は昔からだが何故か犬を嫌う傾向がある。
ドッジボールの時、犬や猫を集めたのだがワン子は猫ばかり集めた。
犬は私と雅でだ。
犬を嫌うのに口癖は『ワン』。
不思議な奴だ。
「さてどうします?」
「突破ワン」
オイコラ待てよ、ワン子。
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