よんてんに、三年前のキリカと水留

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「とにかく追い掛けましょう。キリカちゃんを見失う前に」 「そうだワン」 果てしなく心配だなぁ……。 「いたワン」 校舎を出て、校舎裏で何かをしているのを私たちは発見した。 キリカはこちらに気付いておらず、屈んで何かをしているように見える。 「屈んで何やってんだアイツ?」 「さぁ?アタシは何かを撫でているように見えるワン」 何かを撫でている? 確かにそう見えなくはないが何を撫でているんだ? 「ほらっ、昼の余りだけど食べる?」 微かだが、キリカがそう言っているのが聞こえた。 「ワン!」 キリカの身体で隠れていた何かが吠える。 ……犬か。 「詰まらんワン。アタシの口癖と被るワン」 「じゃあ変えろよ」 「それは断るワン。あれが犬じゃなかったら良かったのにワン」 ワン子は昔からだが何故か犬を嫌う傾向がある。 ドッジボールの時、犬や猫を集めたのだがワン子は猫ばかり集めた。 犬は私と雅でだ。 犬を嫌うのに口癖は『ワン』。 不思議な奴だ。 「さてどうします?」 「突破ワン」 オイコラ待てよ、ワン子。
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