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さてと、買う物も買ったし帰るか。
スーパーの袋に買った物を詰めてカゴやカートを直しに行く。
水留はさっきからキョロキョロとしている。
「さっきからどうしたんだ?お前らしくないぞ」
「い、いや!気にする程の事じゃないさ!」
「……そう言うんならいつもみたいにお前らしくしてろよ」
「し、してるさ!」
ムキになって水留はデカイ声で言い放つ。
耳元で言うな、耳が劈く。
カゴとカートを直しスーパーを出ようとした時だった。
出入口付近で仁王立ちしている子供がいた。
身長は百十程度、しかし胸がそこそこある。
クリーム色に染まった髪の毛をツインテールにして幼さを強調している。
その子が着ている服はどう見ても黒いゴスロリ。
「ゲ……!?」
「……つづみん、あさみんに黙って男と歩くとはいくら嫁のあさみんでも許さないぞ」
……何言ってんだあのガキ?
「いや寄川、これは、その、だな……えと……」
水留が相当焦っている。
「あさみんの事は朝見と呼ぶように何回言った?ほら言って」
「い、いや、だからその寄川――」
「あ・さ・み!」
「う……あ、朝見……」
……驚いた。
まさか水留を圧倒させる奴がいるとは。
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