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「よろしい。それはそうとつづみん、この男は?」
「あ、あぁ、コイツは野館誠吾。今日からコイツん家でお泊り会――」
「お泊り会とな!?」
物凄い食いつきっぷりだな。
「あ、あぁ……」
怖ず怖ずと肯定する水留を横目に俺を睨む子供。
「おい野館!」
うわ、ガキに呼び捨てされた。
なんかムカつくガキだな。
「な、何だよガキ?」
「が、ガキ!?このあさみんがガキ!?こう見えて十六歳だ!」
………………。
世界が一瞬停止した。
じゅう、ろく?
ハハ、そんな馬鹿な話あるか。
「な、何をそんな、じゅ、十六なんてそんな馬鹿な話――」
「それがあるんだよ、誠吾。より――じゃなかった、朝見、手帳見せてやれ」
「面倒だけど今回は特別だぞ?」
ポケットから財布を取り出して生徒手帳を俺に渡す。
それを見た瞬間、凍り付いた。
「寄川朝見(よりかわあさみ)。れっきとした高校一年だ」
「ま、マジだったとは……」
「あさみんは嘘つかない!」
エッヘンと身体と不釣り合いな胸を張って威張る寄川。
不釣り合いにも程があるだろ。
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