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寄川に突っ込んでいると横から水留がチョンチョンと肩を突く。
小突いた後、無理矢理屈まされ耳元でヒソヒソと話し始める。
「普段は普通なんだが時々あぁなっちまうんだ。まぁレズなのはいつもの事だが」
「また変わった人格の持ち主だな」
「野館、貴様は私の愛しのつづみんとイチャイチャするとは良い度胸だ。そんなにつづみんとイチャイチャしたいのならこの私を越えてゆけ!!」
「だっ、誰もイチャイチャなんかしてねぇよ!」
慌てて水留は首を横に振って否定する。
そんな否定しなくても……。
でも水留はツンツンだからこれが普通だよな。
「てか帰るぞ、誠吾!」
水留は俺の手を握って寄川から逃げるように走り出す。
「お、おい水留?」
「ほっとけ!アイツがいると調子が狂う!さっさと帰って作るぞ!」
いや、一切アイツの事は聞いてないんだが……。
なおも水留は俺を引っ張りながらスーパーを出る。
寄川はと言えば腕を組んで目を細めて見ている。
追い掛ければ追い付くような距離なのに追い掛けて来ない……。
レズの割には諦めが早いな。
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