1543人が本棚に入れています
本棚に追加
「……な、何故ここに?」
「やぁ、私の嫁ことつづみん、さっき振り」
悪役みたいに不敵な笑みを浮かべてソファで寛いでいる。
クスクスと笑っている彼女は水留を見て反応を楽しんでいやがる。
「おま、どうして……」
「ん?簡単な事さ。千里眼さ」
寄川は立ち上がってリビングをぐるぐる回りながら俺達を見る。
「それにしても野館、随分と良い家に住んでるじゃないか。とても一人暮らしするには勿体ない家だ」
確かに。
俺の家は三階建ての5LDK。
両親はスパイという馬鹿げた仕事をしている。
家に帰って来るのは百年に一度だ、とかほざいていた。
今の寄川を見ていると、さっきまでの態度とはえらい違いだ。
コイツ、性格が不安定だな。
「ん、どうした?二人共。ポカンとして」
「薄々感づいていたが、お前まさか……」
水留は何かに気付いたのか寄川に問おうとする。
しかし、途中で言葉が止まる。
「まさか……何だ?」
「いや……気にするな」
多分水留は異能所持者かどうかを聞きたかったのだろう。
しかし、相手が厨二病とタチが悪い。
もし異能を持っていなかったらどう処理すれば良いか分からない。
最初のコメントを投稿しよう!