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えーと、何かないかなぁ。
冷蔵庫の中を見るが、余った缶の酒数本につまみ、チョコ菓子、ジュース等。
朝飯の材料としては使えないものばかりで埋め尽くされている。
……これは酷い。
コンビニでも行くか。
「う~、ふぁ~あ……」
トントン、と階段を降りる音と欠伸をする声が聞こえる。
誰か起きてきたのか。
ちょうど良い。
ソイツを連れてコンビニ行くか。
「ふぁ~あ……おはよう、誠吾『お兄ちゃん』」
「あぁ、おはよ……う?」
ん、お兄ちゃん?
その声の方へと振り返ると、そこには見知らぬ子供がいた。
粉雪のように白い肌に、淡い桃色に染まった頬。
整った顔をしていて、とても可愛い。
……まぁ、よだれとグッチャグチャの髪型でなければの話だが。
そんなグッチャグチャの髪だが、赤くサラサラとしていてとても長く、華奢でとても小さな身体。
六歳頃の子供と同じような身長で、見るからに幼女。
知り合いで言うなら寄川の身長とほぼ同じ位だな。
「お兄ちゃん、どこか行くの?」
少女は俺が財布や携帯をポケットに突っ込んでるのを見て、どこか行くのを察したらしい。
しかし……お兄ちゃん、か。
俺には妹なんかいないぞ。
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