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それもあるけど、それだけじゃないだろ。
あの犬猿の仲である水留とキリカが握手をするという行為自体にも驚いてるのだから。
「記憶喪失って素晴らしいですね。あの犬猿な仲だった二人が何の躊躇いもなく握手したりするんですから」
いや、片方は呆気にとられたような顔してるぞ。
てか、能天気過ぎやしないか雅さん?
「これは奇跡のツーショットワン!カメラに納めなきゃワン!」
ワン子、興奮し過ぎだ。
取り敢えずデジカメ直せ。
「お兄ちゃん、なんかお姉ちゃん達がおかしいぞ?」
「気にするな、いつもの事だ」
『いつも!?』
何故そこに反応した。
まるで私達は普通ですみたいなツッコミだったが、実際お前らド変態だからな。
「そっかぁー、分かったぞ!それよりお兄ちゃん、お腹空いたぞ」
「え、あぁ、そうだな。よし、食べるか」
「やった!じゃあ食べるぞ!」
「よし、二人でたらふく食べような」
『二人だけ!?何でなの!?』
なんか外野が五月蝿いけど気にしないで食べよう。
こんか感じが一日かダラダラと過ぎていき、気が付けば就寝時間になっていた。
水留は相変わらず幼女のままで元に戻る気配はない。
明日になれば戻ると思うが、もし、明日戻らなかったら……。
いや、ゴールデンウィーク中に戻らなかったら……。
その時はどうするか。
コンコン
俺の部屋の扉を叩く音が一つ。
「誰だ?入っていいぞ」
廊下にいる人物にそう声を掛けると、静かに扉が開かれる。
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