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「誠吾くん、私です」
そこにいたのはパジャマ姿で髪が濡れた雅さんだった。
……あぁ、この人ならノックするな。
四人の中で一番律儀だし、礼儀を弁えてる。
もし、あの三人の誰かならいちいちノックもしないで蹴破りそうな勢いで来るのだろうし。
考えるだけ無駄だったな。
「あの、誠吾くん、少しお話がありますがよろしいでしょうか?」
「話?別にいいですけど」
彼女が話を持ち込んでくる、という事は恐らく話の内容が……。
「ありがとうございます。えっと、水留ちゃんの事なんですが……」
やはりな。
俺もアイツは気になっていたし、二人でこれからのアイツをどうするか考える必要がある。
そんな時に来てくれるのは嬉しいな。
「もし、水留ちゃんがゴールデンウィーク中に元に戻らなかったら……学園や親にどう説明すればいいか……私それが心配で……」
言葉が進むにつれて、雅さんの表情が暗くなっていく。
その表情があまりにも真剣で、ツッコミなんか出来そうにない。
……どう返せばいいか。
普段から真剣な話を聞かないからこういう時、どうすればいいか悩む。
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