いち、初めての出会い。彼女達は既に残念だった。

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ど、どうにか間に合った……。 目の前の扉は他の部屋より豪華で綺麗な扉となっている。 横の教室がボロいスライドドアならここは無駄な装飾を施した新築の玄関扉。 レベルが違いすぎるだろ。 今、何時だ? 腕時計を見ると、長針は十一と十二の間だった。 つーことはまだセーフか……。 よし、後は中に入れば良いだけだ。 俺は扉を二回叩く。 「は、果たし状持ってきたぞ!」 そう告げると、中から、 「あ、野館誠吾くんですか?どうぞ」 意外にも女の子の声がした。 俺の予想では渋い男の声がすると思ったんだがな……。 まぁ良い、とにかく中に入ろう。 扉を開け、中の人物と接触する。 夕焼けをバックに一人の女性が豪華な生徒会長席に座っていた。 ……眩しくて顔が見えない。 「ようこそ、『ぶっと部』へ。私が部長を努める一年の住良木雅と言います」 今の言葉に気になる事があった。 それは――。 「一年が部長……?」 「はい、今年新設した部活ですので。メンバーは私の友達で構成されています」 ……成る程。 今年新設の部なら体験入部どころじゃないからな。
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