いち、初めての出会い。彼女達は既に残念だった。

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「さて野館くん、ここ、『ぶっと部』の活動内容をお教えしようと思っていたのですが、見ての通り暗くなりかけです。また明日、放課後にお話致しましょう」 ……明日もここに来んのか。 もう少し早くこれに気付いていれば今日中に決着をつけれたのにな。 「……分かりました。では明日の放課後にまた来ます」 「はい、あ、野館くんは先に帰っても宜しいですよ。私はこの部屋の鍵の返却に行かなければならないので」 机にあった鍵をチャリチャリと音を立ててある事を見せる住良木さん。 「いえ、暇なんでついて行きますよ」 それにボッチで帰るのは嫌だし。 「フフッ、優しいんですね」 左手を口元に当ててクスクスと笑う住良木さん。 声が小さくて聞こえなかったな。 「今何て言いました?」 「いえ、気にしないで下さい」 そう言われたら余計気になるんだよなぁ。 一体何て言ったんだ? 「さぁ野館くん、準備が出来ましたので行きましょうか」 両手に鞄を持って席を立ち上がった彼女はゆっくりとこちらに近寄る。 ――綺麗。 思わず口に出そうになる位に綺麗だった。
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