いち、初めての出会い。彼女達は既に残念だった。

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「立ち話もアレですし、歩きながら話しましょうか」 「あ、はい」 『旧生徒会室』に鍵を掛け、俺達は返却しに職員室へと歩き出す。 今のうちに聞きたい事を聞いておくか。 「そういやあの手紙、何で果たし状って書いたんですか?」 「果たし状……あぁ、あれは友達が中身とのギャップが欲しいからって勝手に書いたんです」 「無駄なギャップですよね!?」 「いいえ、無駄ではありませんよ。最近は中身と外見のギャップ、所謂ギャップ萌えというのが流行っているそうです」 「手紙に萌える人なんかいませんよ!」 「世界は広い。必ずどこかにいます」 「いやいや!いませんよ!」 「もしいたら野館くん、罰金ですよ?」 「子供みたいな事言わないで下さいよ!」 「だって私、子供ですから」 「屁理屈!?」 「屁理屈とは失礼ですね」 「……何か疲れた」 この人と話をしただけなのにドッと疲れた。 初対面の時は普通だったのに少し話せばこうかよ……。 この人色々と裏がありそうだな。 しばらく彼女のボケに付き合っているといつの間にか職員室に着いていた。 「話しながら歩くと職員室もあっという間ですね。さっさと鍵を返却してきます」
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