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それを言って職員室に入る。
入る前に一礼したのだが、綺麗なお辞儀だった。
彼女って金持ちの娘なのかな?
言い過ぎかもしれないが、そうでなければあんな綺麗なお辞儀は出来ないぞ。
お辞儀の事ばっか考えていると住良木さんが戻ってきた。
「お待たせしました。では一緒に帰りましょうか?」
「あ、はい……え?」
何ですと?
「あの……一緒に帰るというのはつまり……」
「言葉通りの意味ですよ。では行きましょうか」
住良木さんは無理矢理俺の手を繋いで走り出す。
当然、俺はそれに引っ張られる。
「あの、ちょっと……」
「ウフフ、待ってた甲斐がありましたよ」
「え、今何て――」
「気のせいですよ。さぁ、行きますよ!」
「ちょっと、住良木さん!?」
こうしてこの日は終了した。
途中で別れるまで住良木さんに引っ張られるがままに付いて行き、とても疲れた。
――けど。
少し、楽しかった気がした。
翌日の放課後。
教室掃除をたったと済ませ、『旧生徒会室』へと向かっている俺。
今日も何か楽しい事があるのではないかと若干期待している自分がいた。
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