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アイツらと出会った四月のあの日から少し未来の話。
初活動から数日後の初夏の土曜日。
大体の学生は朝から部活で青春の汗を流したりして「部活最高!」とか言っているのかもしれない。
俺、野館誠吾(のだてせいご)の場合、
「帰りたい……」
ただそれだけだった。
クソ、何でこんな中途半端に暑くて鬱陶しい日に学校に来なきゃいけないんだよ……。
ブツブツ文句を垂れながら学校前の急で長い坂を登っている。
この学校の立地悪すぎだろ……。
しかも、この学校はまた馬鹿じゃねぇのって位に広いのだ。
どの位広いのかと言えば、東京ドームが余裕で二十は入る敷地らしい。
「萩原~ファイッ!」
俺の横を青春の定番、野球部さんが集団ランニングから帰ってきたようだ。
因みに朝六時から部活が開始されているらしい。
ご苦労さんと、この前はスマンかった。
野球部を横見に音楽を聴きながらようやく部室棟、通称『昭和の棟』に辿り着く。
そんなに汚い訳でもないのにこの棟を部室棟にして、新しく校舎を建てたらしい。
『昭和の棟』は築三十年って所だろう。
因みに今の校舎は築五年。
だから二十五年しか教室棟として使っていない。
まさに金の無駄遣いだ。
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