いち、初めての出会い。彼女達は既に残念だった。

27/33

1543人が本棚に入れています
本棚に追加
/200ページ
水留に言われた通り、みんなが後ろに下がる。 俺もつられて下がる。 一体何をするんだ? 何をするのか気になって見ていると、水留の手から紅いオーラのようなものが纏っているのに気付く。 あのオーラは何だ? オーラは水に混ざる前の絵の具のようにゆらゆらと揺れている。 「誠吾、これが私の『異能』だっ!見てろよ!」 揺れ動いていたオーラがまるで火花のように勢い良く手から溢れ出ている。 これが他人の『異能』、か。 俺が気付いた時には既に備わっていた能力。 その能力を使って頂点を目指す為に闘えとか、化け物を倒せとかの為にあるのではなく、何の意味も無い本当に無駄な能力。 そんな無駄な能力、一体何の為にあるのだろうかと時々思う。 水留の腕に纏うオーラが更に強くなりそして、 「行くぜぇ!『爆砕拳闘(ドライブ)』!!」 バゴォオオオオオオオオオオオオオン!! ……え? 何をするのかと思えば、水留はオーラを纏った右手で扉を思いっ切りブン殴った。 扉は真ん中で折れ曲がりながら生徒会室の中へと飛んでいき、何かにぶつかる。 「よっしゃ、見事にヒットしたぜ!」 「いやいやいやいや!何でブッ壊したの!?」
/200ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1543人が本棚に入れています
本棚に追加