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水留に言われた通り、みんなが後ろに下がる。
俺もつられて下がる。
一体何をするんだ?
何をするのか気になって見ていると、水留の手から紅いオーラのようなものが纏っているのに気付く。
あのオーラは何だ?
オーラは水に混ざる前の絵の具のようにゆらゆらと揺れている。
「誠吾、これが私の『異能』だっ!見てろよ!」
揺れ動いていたオーラがまるで火花のように勢い良く手から溢れ出ている。
これが他人の『異能』、か。
俺が気付いた時には既に備わっていた能力。
その能力を使って頂点を目指す為に闘えとか、化け物を倒せとかの為にあるのではなく、何の意味も無い本当に無駄な能力。
そんな無駄な能力、一体何の為にあるのだろうかと時々思う。
水留の腕に纏うオーラが更に強くなりそして、
「行くぜぇ!『爆砕拳闘(ドライブ)』!!」
バゴォオオオオオオオオオオオオオン!!
……え?
何をするのかと思えば、水留はオーラを纏った右手で扉を思いっ切りブン殴った。
扉は真ん中で折れ曲がりながら生徒会室の中へと飛んでいき、何かにぶつかる。
「よっしゃ、見事にヒットしたぜ!」
「いやいやいやいや!何でブッ壊したの!?」
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