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「俺、口に出ていました?」
「いえ、読心術です」
あぁ、それなら納得……。
読心術ぅうううううううううううううう!?
「読心術……?」
水留が不思議そうに繰り返す。
「えぇ、そうです岡嶋さん。生れつきですから気になさらず」
「へぇー、生れつき読心術が使えるとなると人と上手く接するの楽じゃない?」
キリカが嫌味っぽく如月会長に言う。
何でそんな嫌そうに言うんだろうな。
「別に大した事はないですよ。読心術なんて所詮技、決して楽ではないですよ」
「……嫌な奴」
うぉいキリカ、何て事を!
「す、すいません会長!」
俺は慌ててキリカの頭を掴んで無理矢理謝らせる。
キリカは不機嫌そうな顔が更に不機嫌になった。
「別に気にしてませんから。それより、もうすぐ門が閉まる時間ですから今日はお帰り下さい」
「解りました、でも……」
チラッとキリカを見る。
ムスッとしたキリカの顔は直る気配もない。
「謝らなくても良いですよ。人それぞれ私への印象は違いますから」
「はぁ、ですが……」
「良いですよ。早くしないと閉まりますよ?」
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