1543人が本棚に入れています
本棚に追加
/200ページ
……仕方ない。
下校時刻ギリギリだしまた今度にするか。
「――解りました。では失礼します」
「はい、また明日です」
生徒会室を出る俺達。
笑顔で手を振っている如月会長が最後に映った。
◇
扉が閉まった後、私は部屋の電気を消す。
大きな窓から見える街の景色を見て、私はあの言葉を思い出す。
……嫌な奴、ですか。
確かに私は嫌な奴です。
去年はあの人に無茶ブリばかりさせて楽しんでいましたが、今は役員に毎日怒ってばかり……。
あの人は私の中でとても、とても大事な人でした。
………………。
私はこの先、誰に縋れば良いのですか?
縋る相手もいない世界で何を頼りにすれば良いのですか?
教えて下さいよ……。
もう、あなたのいない世界なんてウンザリなんです……。
コンコン
不意に誰かが外から扉を叩く音に驚く。
「会長、入るぞ?」
「あ、えと、待って下さい」
私は電気をつけ、部屋を明るくする。
「どうぞ」
その声と同時に一人の男が入って来る。
その人物は痩せ型で身長の高い男、副会長だった。
「会長、今後必要な資料完成させたぜ」
最初のコメントを投稿しよう!