いち、初めての出会い。彼女達は既に残念だった。

32/33

1543人が本棚に入れています
本棚に追加
/200ページ
……仕方ない。 下校時刻ギリギリだしまた今度にするか。 「――解りました。では失礼します」 「はい、また明日です」 生徒会室を出る俺達。 笑顔で手を振っている如月会長が最後に映った。 ◇ 扉が閉まった後、私は部屋の電気を消す。 大きな窓から見える街の景色を見て、私はあの言葉を思い出す。 ……嫌な奴、ですか。 確かに私は嫌な奴です。 去年はあの人に無茶ブリばかりさせて楽しんでいましたが、今は役員に毎日怒ってばかり……。 あの人は私の中でとても、とても大事な人でした。 ………………。 私はこの先、誰に縋れば良いのですか? 縋る相手もいない世界で何を頼りにすれば良いのですか? 教えて下さいよ……。 もう、あなたのいない世界なんてウンザリなんです……。 コンコン 不意に誰かが外から扉を叩く音に驚く。 「会長、入るぞ?」 「あ、えと、待って下さい」 私は電気をつけ、部屋を明るくする。 「どうぞ」 その声と同時に一人の男が入って来る。 その人物は痩せ型で身長の高い男、副会長だった。 「会長、今後必要な資料完成させたぜ」
/200ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1543人が本棚に入れています
本棚に追加