に、せーちゃんコイツら誰?

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部活申請して数日。 表向きの理由でちゃんと登録されて『ぶっと部』が始動した。 今日は設立後初めての土曜日の朝。 一応、毎日活動はするらしい。 「まだまだ肌寒いな……」 読書に耽ながらそんな事をボソッと漏らすとヤツの耳に入ったらしい。 「なら僕と裸と裸で暖め――」 「黙れ変態。あっち行け」 「酷いよせーちゃあん!」 俺が冷たくすると、キリカは構って欲しいのか俺の袖を掴み、ウルウルとした瞳で見詰める。 しかし、俺は動じない。 何故ならポケットからある物が見えているのだ。 「……目薬、見えてるぞ」 「えっ、あっ!」 キリカが慌ててそれを隠す。 ……手遅れだバカ。 「え、えへへへ……」 ばれちゃったと言いたそうにしながら頭をポリポリと掻く。 この数日でキリカについて分かった事はド変態でマゾ思考の持ち主だという事だ。 「はぁ、あのな変態、普通に出来んのか?」 「変態じゃないもんキリカだもん!それに今の僕が普通だもん!」 頬を膨らませて可愛く怒る。 ……時々思うけどこういう仕種って可愛いよな。
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