ぜろ、ぶっと部の日常

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「そうだろうと思ったワン。顔を真っ赤にして急いで出て来たのを見たからワン」 クスッと笑いながら彼女は『旧生徒会室』の扉を開ける。 「みやびが着替え終わったら伝えるから待っとけワン」 そう言って彼女は扉を閉めた。 ……はぁ。 あの一瞬で色々と疲れたな。 さっきまで話していた彼女の名前はワン子。 本名、一森一菜(いちもりいちな)と言い、ワン子は通称。 まず最初に目がいくのは彼女の瞳の色。 彼女はオッドアイで左目が蒼で右目が翠ととても鮮やかな瞳をしている。 瞳の次は恐らく彼女の髪に注目するだろう。 犬の耳みたいに跳ねた髪の毛が特徴的で時々ぴょこぴょこ揺れ動く。 ワックスとかで固めたりしてはおらず、生れつきこういう髪型らしい。 ワン子曰く、水に濡れても犬耳部分だけはペタンとならないとか。 白銀に染まる髪は肩を少し越えた辺りまでの長さまであり、胸や身長は平均的サイズのようだ。 これは本人が普通に教えてくれた。 ……正直対応に困ったが。 しばらくボーッとしていると、向こうから一人の少女が俺に気付くなり猛スピードで走って来る。 「ゲ、アイツが来やがった……」 「せーちゃああああああああああん!!」
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