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「さぁ。ただ、私は入学初日にキリカちゃんが興奮しながら『カッコイイ男の子に助けてもらった』って事を聞きましたよ」
入学初日に?
……あ、そういや。
あの時の子がキリカだったのか。
一体何があったのかと言えば、入学初日の朝に道端でナンパされている女の子がいた。
そこをたまたま通り掛かったのだが、見てて気分が悪いのでまずはそのナンパシーンをムービーに収める。
次にそれをソイツらに見せたのだが、キレて襲い掛かってきたので仕方なく応戦。
その日、たまたま持っていたラケットでスネを思いっ切り叩き、女の子と一緒に学園に逃亡。
大雑把に言えばこんな感じだ。
出来過ぎた話のようだが、実際にそうなったのだから仕方がない。
それにしても、まさかあの女の子がキリカだったとはな。
「成る程、納得しました。けど、そんなんでベタベタとするものでしょうか?」
「誠吾くんには解らない事です。女心を理解してなきゃ永遠にですよ」
「……はぁ」
よく解らんが、キリカがくっつきたがる理由が分かったからいっか。
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