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◇
「つまり、この前渡した部活動申請の紙に不満があったから潰しに来たんですね」
いきなり「勝負だ」と、言って入って来たのは生徒会副会長の黒兎國久(こくとくにひさ)さんと神酒三並(みきみなみ)さん。
彼は生徒会室の机の上に置いてあった俺達の部活動申請の紙を見て、「こんな部活認めるか!」と、カッカしながら来たらしい。
一方で神酒さんは黒兎さんに無理矢理連れて来られたようだ。
その証拠に退屈そうにこの部室を見て回っていた。
「当たり前だ!会長の改竄に気付かなかったらそのまま『クソゲー研究部』と嘘の部活動申請書で通す所だったぜ!」
バッと、俺達が書いた『ぶっと部』の申請書を取り出す。
それをポイッと投げ捨てて腕を組む。
「ああっ!私が書いた紙を!」
水留がヒラヒラと舞う紙を取ろうと追い掛ける。
見事にキャッチはしたが、若干クシャクシャになっていた。
「紙と呼ぶのも勿体ないわ!」
「テンメェ!ふざけんな!勝負しやがれ!」
いや、今から勝負するんだからその台詞はないだろ。
「上等だこの野郎!」
どうやら副会長はカッカするとさっき言った事をマッハで忘れるようだ。
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