に、せーちゃんコイツら誰?

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相談するのに疲れ、風を浴びようと屋上へ向かう。 ここの学校の屋上は一部が廊下としての役割になっている。 他にも体育館上部にある特別教室へ渡るもの、どこの学校にもある屋上がある。 その中で俺は普通の屋上へと向かっていた。 屋上の扉を開け、すぐそこにあるベンチに座る。 昼休みにここで飯を食ったりする生徒が沢山いるのだが、今日は土曜日なので誰もいない。 「……誰かドッジボールやる奴いねぇかな……」 空を見上げながらボソリと呟く。 青い空に幾つもの雲がゆっくりと流れていくのをボーッと見ていると時間なんか忘れそうだな。 そんな下らない事を考えていると視界に一人の生徒が映った。 「…………」 「ん?」 その少女が視界の隅から消えないのが気になったのでその子の方へ振り向く。 パッツンの黒髪ロングストレート、俺より少し小さい身長の少女は下らなさそうな表情で俺を見続ける。 「…………」 「あの、何か……?」 「…………」 口は動いているから何かを喋っているのは解る。 解るが、声が異常に小さい。 ヒソヒソ話をするかのような声量で話し続けるのでほとんど聞こえないのだ。
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