に、せーちゃんコイツら誰?

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「副会長と知り合いなのか?」 〈間接的に知っているだけ。彼とは一切話した事がない〉 成る程ね、それなら知っているか。 「そっか。んで嵯峨根さんは誰かドッジボールが得意な人知らない?」 嵯峨根さんはしばらく考える素振りを見せ、答えを書いた。 〈何人か心当たりがある〉 「本当?なら教えてくれないか?」 〈……残念だけど彼女達は不可能〉 彼女達? 不可能? 「どうしてなんだい?」 〈彼女達は精神的にも体力的にもかなり弱っている。もっと早くに会っていたなら可能だったかもしれない〉 ……何か、あったのだろうか? 嵯峨根さんもなんだか悲しそうな顔をしているし、過去に何があったのだろう? あまり詮索したくはない。 しかし、あと一つだけ聞いてみよう。 どうしても聞いてみたい事がある。 「その中に、嵯峨根さんは入っているんですか……?」 嵯峨根さんは筆を止め、しばらくどこか遠くを見詰める。 〈……どうだろうね?私も入っていると言えば入っているし、入っていないと言えば入っていないね〉 そんな曖昧な答えが返ってきた。
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