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今でも無理矢理にメンバー確保やとんでもない奴を確保してそうで恐い。
〈成る程、理解したわ。随分と変わっていて楽しそうな部活なんだね〉
「そう?ガキのお守りと同じ位大変な部活だぞ?」
〈そういうのが楽しいんだよ。その仲間、大切にするんだよ〉
ベンチから立ち上がり、スカートを軽く叩く。
叩いた後に流すようなスピードでペンを走らせる。
〈そろそろ時間だから行くね〉
「あっ、はい。ではまた」
軽くお辞儀をすると向こうもお辞儀を返す。
そして、彼女は校舎内へと消えていった。
歌で言葉を表せない先輩、嵯峨根美幸……。
不思議な人だったな。
さて、俺も他をあたりに行くか。
◇
翌日の昼。
天気は快晴、穏やかな風が吹く程度。
絶好の試合日和だ。
「……テメェら、そのメンバー何なんだ?」
野球部の一軍を引き連れてきた副会長はブチ切れ寸前で、俺達のチームのメンバーを指差す。
……だよなぁ。
向こうはクソ真面目に作ったチームなのにこっちはあまりにも酷すぎる。
どれ位酷いかと言うと……。
「これが私たちのベストメンバーですが?」
屈託のない笑顔を振り撒きながら答える我が部長。
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