に、せーちゃんコイツら誰?

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「ん?何でだよ姉さん?俺はみんなとの親睦を深める為にこうやって仲良くなろうとしてんだぜ?」 愛希と呼ばれた少女は悪びれた様子を見せず、ニッと笑っていた。 会長のジャージは大人しめの色に対し、こちらは学園指定の黒の体操ズボンに白の半袖シャツである。 「仲良くなるのは勝手ですが、仮にもあなたより年上なんですから礼儀位弁えて下さい」 「……はーい」 口を尖らせ、つまらなさそうにする。 会長とまったく正反対の性格の持ち主なんだな。 「それはそうと姉さん、その男誰?姉さんの彼氏?」 愛希ちゃんはニヤニヤしながら会長に尋ねる。 どうやら男勝りで噂好き、お調子者の性格のようだ。 「違います。この人は野館くんと言い、『ぶっと部』の部員の方です」 「ふぅん、そうなんだ……俺は附属三年の如月愛希、よろしくな兄さん!」 初対面の子にいきなり兄さんと呼ばれた。 ……俺はどう、対応すれば良いんだ? 「野館くん、愛希は年上の男性なら誰でも兄さんと呼ぶので気にしなくて良いですよ」 「失礼だな、姉さんは!俺だって兄さんって呼ぶ基準位決めてるぜ?」 ブスッと頬を膨らませて抗議する愛希ちゃん。 子供っぽさが残っていて可愛いと思った。
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