1543人が本棚に入れています
本棚に追加
/200ページ
「お前ら、僕に告白なんて一億と数千年は早いよ?僕には愛しのせーちゃんがいるんだ。ねっ、せーちゃん?」
腕に抱き着いていたのを今度は俺の身体に抱き着く。
笑顔の彼女はスリスリと頬を擦る。
柔らかい、とても柔らかい感触が俺を襲う。
「なっ!?」
「そ、その男のどこが良いんですか!?」
それを聞いた瞬間、キリカの顔が豹変する。
「黙れ、死にたいか?僕のせーちゃんを侮辱するとは良い度胸だね。殺してやるよ」
キリカはポケットから仕込みナイフを何本か取り出す。
それを出して相手に向けて投げる。
スッ
「ヒィッ……!」
僅か数センチ横を掠り、ナイフはそのまま飛んでいく。
……これはヤバい。
マジでヤバい。
「キリカ――」
「せーちゃん、もう少ししたら殺せるからもうちょっと待っててね♪」
……ダメだ、話が通じてない。
止めようにも止められない。
「う、うわぁぁああああああああああ!!」
告白した男共は一目散に屋上から逃げていく。
それを見て俺は内心ホッとする。
しかし、
「チッ、仕留め損ねたか……まぁ、せーちゃんへの愛は通じたからいっか」
このヤンデレは悔しがっていた。
最初のコメントを投稿しよう!