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「スマン、何だって?」
「アンタは耳ツンボやなぁ。アタシらはキリカ姉さんの異能でこうやってベラベラ喋れんねや」
馬に聞き返したつもりが、片方の柴犬が答えてくれた。
しかも関西弁で。
「確か『煌峯の微笑み(ファイン)』だったでござるか?」
今度はリスザルが教えてくれる。
まさかサルから『ござる』が聞けるとは思わなかったな。
「もう来栖さん、キリカさんは恩人なんだから忘れるのは失礼だぞ?」
続いてもう一匹の柴犬。
コイツは話し方に特徴がないんだな。
「スマンスマンでござる。歳だからすぐに忘れてしまうでござるよ」
ナハハと照れながら頭をポリポリ掻くリスザル。
「来栖殿の場合、歳ではなく単にバカだからではないのか?」
「コラ、カイザー、来栖さんに失礼なのだ」
語尾に『なのだ』と言うのはカンガルー。
「申し訳ない、つい本当の事を言ってしまった。私の悪い癖だな」
「カイザー、そんなんでいちいち凹んでたらアンタベッコベコに凹むで?」
ヘラヘラ笑いながら言う関西弁の柴犬。
俺は変な夢でも見てるのか?
「夢じゃないよ、せーちゃん」
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