に、せーちゃんコイツら誰?

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俺の心を見透かしたかのようにキリカは告げる。 「あの子達は僕の異能、『煌峯の微笑み(ファイン)』で喋れるようになった動物なんだよ」 キリカらしくない、優しげな瞳で動物達を見詰める。 それはまるで母親が子供を可愛がるような瞳だった。 「この子達はね、僕の大切な家族なんだ」 家族……。 クイッとワン子が引っ張り、耳元で囁く。 「キリカの家は親がいつも仕事で海外にいるんだワン。だからコイツらが今のキリカを支えているんだワン」 成る程、そうだったのか。 それは聞いちゃいけない事だったかもしれんな。 「悪い、キリカ。なんか聞いちゃいけない事まで聞いて」 「ううん、気にしなくて良いよ!それよりみんな、ちゃんとせーちゃんに自己紹介して!まずは大和から!」 大和と呼ばれた柴犬は俺の目の前でお座りをした。 「初めまして、俺は大和。よろしく」 コイツが大和か。 特徴という特徴がないのが特徴だな。 「続いて武蔵!」 「初めましてやな、アタシは武蔵。よろしく頼むわ。あー、小屋に帰って寝たいわー」 武蔵と呼ばれた犬はグデーッと横になりながら自己紹介した。 関西弁で怠け者な所が特徴だな。
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