に、せーちゃんコイツら誰?

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……いた。 ソロリ、ソロリと忍び足で雅さんの方へと逃げてるワン子がいた。 「ワン子待てぇえええええええええええええええええ!!」 「カイザーは何でも言い過ぎだワン!」 しばらくワン子を追いかけ回し、ようやく引っ捕らえる事に成功。 襟首を掴んでまるで親猫にくわえられた子猫みたいにプラプラしている。 「うぅ……殺されるワン」 「殺しはしねぇよ」 「じゃあ犯されるワン?」 「だ・ま・れ・よ。そろそろキレるぞ?」 「もうキレてるワン……」 そんな事をボソッと言うが、丸聞こえだ馬鹿野郎。 ……けど聞かなかった事にしてやる。 「さて、何故ワン子は俺とキリカが付き合ってるというデマを流しやがった?」 「せーごとキリカの普段を見てたら『お前ら付き合っちゃえよ』状態だったからワン」 お前ら付き合っちゃえよ状態? 何だそれ? 「何だその状態?」 「言葉通りの意味ワン」 「……よく分かんねぇが、ま、いいか」 ワン子を離してやると、走ってキリカに抱き着いた。 「キリカ、恐かった……ワン」 「よしよ~し、恐かったね。コラせーちゃん、怒ってばっかはメ、だよ」 何で俺が悪者扱い?
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