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一瞬心臓が止まった。
…あれ、これって告白?
えっ?
けけけけ健太くんがあたしに?えっ?
しばらくはパニックで、口があんぐりあいていた。
「あ…あの?川野?」
健太くんのかけ声でようやく現実に戻ってきた。
「返事…聞かせてもらえるやろうか…?」
言いたいのに、うんって言いたいのに言葉が出ない。
あたしは健太くんとの通話の中で、はじめて泣いた。
健太くんとの話は面白くて、いつも笑いしか飛び交わなくて。
泣いたらだめ。
健太くんを困らせちゃう。
それはだめだ。
その一心で答えようとする。
でもますます涙が出てきた。
多分健太くんは戸惑ってるだろう。
もしかしたらあきれたかもしれない。
せっかく想いを告げたのに、なんで泣かれなきゃいけないのか
そう思ってしまうかもしれない。
いやだ、いやだよ…
それでも健太くんは、
「川野…?
えっと、ゆっくりでええからな?
ぼくあの、いくらでも待つから。
っていうか、画面越しにティッシュかタオル渡せんのやろか…!?」
などと言い出すので、少し涙が治まった。
健太くんは、あきれもせずむしろ私を気遣ってくれた。
あたしは今なら、
あたしは世界一幸せだと言えると思う。
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