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メガネが本物かどうかなんて、今まで聞かれたことが無かったので、思わず黙ってしまった。
「……。」
「おーい。聞いてる?」
今でも十分近い顔が、さらに迫ってきて、思わず
「ゎ…わ!本物!だ…ょ…」
なんだか照れてしまったのは、同性とは思えないような色っぽい香りがしたからだろうか。
「ほぇー!!すっごい!分厚いね。目、悪いんだ」
まじまじと、横からメガネを見つめていた彼女は、サラサラのショートヘアを揺らして、
にっこりと微笑んだ。
「名前まだだったね!渡辺蓮-ワタナベレン-。よろしく。」
人なつっこいその笑顔に、明日からの高校生活が、楽しくなりそうな、そんな予感がしていた。
「こちらこそ!結城実々子です。よろしく。渡辺さん!」
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