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に…逃げたい。 と思わずにはいられない、その空気に、 低い声で、彼 …明里ちゃん曰わく、みわっちくんは言った。 「…邪魔…」 気怠げに発せられたその声にまで、黒いものがまとわりついているみたいだ。 「あ!ごめんごめん!」 明里ちゃんが道をあけると、みわっちくんは、他にもざわついている生徒を避けながら、 1組に入っていった。 「同じクラス…」 あたしがこっそり肩を落とすと、 「ん?どしたのミミコ。」 表情を少しも変えずにいた明里ちゃんが、顔を覗き込んできた。 明里ちゃんにはあの黒いものは見えなかったのだろうか。 これから1年間、只でさえ憂鬱なのに。 あんなみるからに怖そうな男の子がいるクラスだなんて… あたしはため息をつかずにはいられなかった。
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