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親の心の動揺は直接、それ以上に子供に伝わる。
一《母ちゃん…。
手、つないでいい?》
それをよく知ってる人だったんだと思う。
母
俺はどんなイヤなことがあってもおふくろの傍に帰れるだけで全て忘れることができた。
俺だけじゃない。
その頃まだ4つだった夏梨も遊子も。
親父だって。
真菜も俺たちの本当の家族じゃないけど。
みんなみんなおふくろが大好きで。
つまるところ、その頃のウチはおふくろを中心に回ってた。
うんと小さい頃"一護"って名前は『何か一つのものを護り通せるように』という意味でつけたんだと親父にきいた。
その時、それなら俺はおふくろを守りたい。
そう思ったのを憶えてる。
いつも俺を護ってくれるおふくろを―――……。
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