×シンプトン・オブ・シナシージア×

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一「半虚…。 …たしかに…。 感覚は虚に近いけど…。 あいつは虚のあの白い仮面みたいなヤツをつけてねえ…」 真「それに…。 胸の孔<あな>もまだ完全に空ききってない…」 ル「そうだ。 虚の胸に空いた孔は中心を亡くし本能の塊となったことの徴<しるし>。 そしてドクロを模した白い仮面はそのむき出しになった本能を外界から守るための盾。 どちらも中心のあるうちは必要のないものだ」 一真「「…………」」 ル「人は死に、中心に生えた因果の鎖は肉体から断ち切れる。 この世に強い心残りのない者はそのまま死神の導きを待つがしかし。 心残りあるものはその対象に因果の鎖をからめとられてしまうのだ。 人に心残りあらば即ち憑き霊となり。 土地に心残りあらば即ち地縛霊となる」 一「じゃああいつは――…」 ル「そうだ。 この病院そのものか、ここで起きた何がしかの事件か。 いずれにしろこの地に心を残したままの霊ということだ。 まあ…」 霊「うおおおおおお」
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