×ヘッドヒッティン×

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一「ふぅ…。 あいつ見てると危なっかしくて疲れるなあυ」 ル「…あの井上という女…」 一「あん?」 ル「親しいのか?」 一「別に? まあそこそこじゃねぇか。 真菜と近所に住んでるヤツの中2の頃からの親友なんだよ、あいつ」 ル「…家族は?」 真「…一人。 年のはなれたお兄ちゃんがいたよ」 ル「“いた”?」 一「ああ。 3年前に死んだ。 ドア開けたのが俺と真菜だったからよく憶えてる」 真「ちょうど学校に行こうとしてた時でね? まだ診療時間前なのにインターホンが鳴って、女の子が自分のお兄ちゃんをおんぶしてたずねてきたの」 一「交通事故らしかった。 血まみれでウチ程度の設備じゃどうにもなんなくて、大病院に移そうと救急車の手配をしてる間に死んじまった。 って、…まあそん時の栗毛のガキがあいつだったってのは俺も最近知ったんだけどな」 真「でもこんなこと訊くなんて、ずいぶん織姫のこと気にしてるね」 ル「別に。 気になどならぬ」 一「なんだよそりゃ!?」 ル「さ! 我々も帰るぞ!」
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