Please love me ?

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渡された二枚の紙には大きなメリーゴオランドとポップな文字で金ヶ丘(カネガオカ)遊園地と刻まれていた。 「……チケットですか?」 「当たりよー。 さすがね静ちゃん」 「えへへ」 僕の肩の上に顎を置きながらチケットを眺めていた静が照れたように笑う。 「黒金(クロガネ)遊園地のチケットなんだから手に入れるの大変だったんだからねー」 「……母さん、どうやってこれを?」 「仕事の関係上でもらったのです!」 あんまり大変なことしてないような……。 僕はゆっくりとため息を吐いた。 「じゃあ勇くん? 来週はあけて置きなさいよー」 「えっ? 母さんと僕が行くの?」 「おば様! 私たちへのお土産ではなかったのですか!?」 「いいよ、いいよ。 どうせ母さんはいつも仲間外れなんだー」 「おば様……。 わかりました、私とおば様で行きましょう」 「なぜそうなる」 「だっておば様が――」 「勇くんはどっちと行きたいの?」 「えっ?」 「そうよ! 勇こそはっきりしなさいよ!」 「えっ?」 なぜ僕に飛び火する。 そして、先ほどから母がニヤニヤした顔でこちらを見ているのが物凄く腹立ちます。 まぁ、簡単に考えれば静>母なんですけどね。 それでもここで静を即答するのは何か照れくさいような気もします。 というよりすごく照れくさいです。 やっぱり僕は静のことが好きなのでしょうか? 「そんなっ! 勇ったら照れ屋さんなんだから」 「静、心を読まないで」 頬を染めた静がバシバシッと肩を叩いてくる。 みんな自由奔放ですよね、ほんと。 「勇くん、早く言ってよねー」 「勇! 早く早く!」 早く早くと瞳を輝かせながら、せかしてくる二人の迫力の前に僕は言葉を発さないわけではなかった。 「僕は――――」
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