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左隣の茶髪ピアスの一見チャラ男――いやどう見たってチャラ男の奴に話しかける。 「ねぇ? 隆平、成績どんぐらいだと思う?」 僕が隆平と呼んだその男は頭を掻いていけしゃあしゃあと答えた。 「俺の予想ではオール5やな」 コイツの名前は敦賀 隆平(ツルガ リュウヘイ)、根っからの関西人らしく標準語崩れの大阪弁を扱います。 このホモとゲイが溢れるこの学校で唯一僕が気を許せる相手であり、僕のことを男だと認めてくれる相手であるのだ。 また、彼は女顔な僕とは違ってとても凛々しい顔をしている。 つり上がった眉毛に誰かを射殺しそうな鋭い眼光。 逞しい胸板にスッと通った鼻。 背が高く、短く刈り上げだ髪。 そして、笑うとえくぼのできる顔がこちらを覗いている。 「そんなにテストの点数よかったっけ?」 確か僕のおぼえでは平均点数五十点は下回ってたと思うんだけど……。 いったいどんな裏技を使ったんだ? 「ま、見てなって」 と軽くこちらにウィンクを飛ばした彼に言わずとも不信感を抱きます。 先生に名前を呼ばれて秘密の紙を取りに行く。 見るのは二人一緒。そう約束した。 紙を受け取り、自分の席に舞い戻った僕を見て、隆平は待ってましたとばかりに笑った。 「なぁ勇、早く見よーぜ!」 既に彼は待ちきれない程にまでワクワクが募っているらしい。 それは僕だって同じなのに……。 通知票片手に目を輝かせる姿は2人して小学生のようでした。
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