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隆平と一緒に通知表を一気に開く。
そこには四角形の中に数字が割り振られている表。
もう、気持ちは緊張と焦りでいっぱいだ。
えーっと、隆平のは……。
「どこがオール5だよ! 全くもって違うじゃん!」
隆平の紙に記されていたのはあまりにかけ離れている数字。
何故、その数字でそこまで見栄をはれた。
「当たり前やん。 俺がオール5なんか取れるわけないやろ?」
あっさりと言い放つ彼に対して僕の中には黒い殺意が湧き上がります。
「よし、跪け! 命乞いをしろ!」
手にはハサミ、そして紐。
首吊りに見せかけて巧妙に殺害するしか――――
「何をそんな興奮してんねん。 自分の通知票見てみいや」
隆平の言葉で我に返った僕はまだ確認できてない自分の通知票を見てみる。
蛍光灯に照らされた紙。
そこには5と書かれた文字がズラリと並んでいた。
つまり、オール5。
嬉しさからかつい目頭が熱くなり、叫び出しそうになる。
いや、それよりもコレを当てた茶髪筋肉さんに感服か。
まぁ、どや顔されても困るけどもね。
「なんでわかったの?」
彼のどや顔に苦笑しながらも聞いてみる。
すると、あっさりと彼は教えてくれた。
「勘」
前のめりにずっこけた。
まったく、凄いんだか駄目なんだか……。
「そんな勘で人の成績を当てた隆平君には豪華プレゼントがあります!」
「お、学食おごりとかか?」
一気に目が期待と羨望でいっぱいになる。
単純な奴め。
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