プロローグ

2/4
前へ
/533ページ
次へ
   人は、誰しも恋をする。  その恋は実るものもあれば、儚く消えていくものもある。  後者は枯れた薔薇のように厄介だ。 見頃の時期を過ぎたにも関わらず、茎に潜む棘は、失恋した者をいつまでも傷つける。  人として技量を問われるのは、この棘をどう対処するかということだ。  心に刺さった棘を抜かないまま傷みに涙する者、棘を無理やり抜き立ち直ろうとする者など、方法は人によって様々。 ――参考まで、“私”の対処法を紹介しよう。  それは…… .
/533ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6637人が本棚に入れています
本棚に追加