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高校二年にして、新しい制服に袖を通す。前の学校ではセーラー服だったが、今回は憧れのブレザーだ。
茶色のブレザーに赤いリボンをキュッとしめる。オレンジブラウンに染めたばかりの、背中まである髪を念入りに巻いて、新しい“私”の完成だ。
「よし。新しい菜月美久(なつきみく)、ここに誕生」
姿見に映る自分に向かって、親指を立ててみる。
メイクもばっちり決まり、転校初日を迎えるに相応しい、理想の自分が目の前に映っているからだ。
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