第1話

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 これはアレだ。  星座占いで13位、血液型占いで最下位、天気予報で局地的な大雨に注意と言われた俺に、世界の意思が追い討ちをかけに来たに違いない。  朝、クラスの人気者宮本さんに話しかけられたのも。昼、久しぶりに携帯にメールが来たのも。全てこの為の伏線だったのだ。  ……ありえねぇだろ、普通。  帰宅途中、空き缶を踏んで転んだところをダンプカーに轢かれ、死亡。  明日の朝刊の、地域面くらいには載るだろうか。  もう、直ぐ目の前まで車のナンバープレートが迫っている。  ヤバいヤバいと焦る自分と、これで終わりかと思う冷静な俺がいる。  後悔なんて、あるわけない。  そこまで考えて、意識が途絶えた。
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