テンプレ展開×少し非凡な主人公=チート能力寄越せ、この野郎

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なんかよく分からないのが 目の前に存在してる… 何故、“よく分からない”とか “存在してる”と 言った大きな理由は まず、姿が見えない。 次に姿が見えないから 生物か無生物か分からない。 これが理由だ。 そして“それ”から 視線を逸らすため 首ごと右に動かすと… 一つの衝撃が僕を襲った。 その衝撃は 物理的な衝撃ではなく 精神的な衝撃だった。 僕が見たのは 身体がバラバラになった 生き物だったもの それなら 良くて気分が悪くなるぐらいで 最悪、トラウマに なるぐらいだっただろう だが、僕が見たのは 生き物だったものが自分だと 不思議と冷静に理解した僕は 何故か気分が悪くなる事は無く 悲しさと虚しさが 器から溢れる水の様に こみ上げてきた 悲しみと虚しさが こみ上げてくると同時に 一つの出来事がコマ送りで 頭の中に流れてくる。 僕が乗った電車が 脱線事故を起こした様子を コマ送りで流されたら 嫌でも理解してしまう。 僕は死んだ。 しかも、電車の脱線事故で “バラバラ”になるという不自然を残して… 脱線した電車に衝突した勢いで 何かに身体が刺さったならば 多少無理矢理でも理解出来る… いや訂正、無理矢理理解させるそうしないと 駄目な気がしたからだ。 「やっと、分かったのかよ。」 さっきの何かが僕に また声を掛けてくる。 僕は出来る限り無表情で聞いた 「あなたは誰ですか? そして、ここは何処ですか?」 多分 この時の僕に出来る精一杯の 反抗的な行動だった思う。
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