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家に着いてすぐ、私は自室へ向かった。
ベッドに飛び込み、涙を流す。
“どうして水城先生なの?”
ママを責めるように心の中で叫んだ。
気付いたら涙も止まり、ボーッと一点を見つめていた。
先ほど、ママが来たけど、寝たフリをした。
「ママなんて大嫌い…」
ボソッと呟いた声は、静かな部屋に響いた。
コンコンッとノックする音が聞こえて、「誰?」と問い掛けると、泰ちゃんの声が聞こえた。
「俺。泰神だよ」
ママじゃないことに安心して、ドアを開くと、ご飯やおかずの乗ったお盆を手に泰ちゃんはニッコリ笑った。
「引きこもり?それとも反抗期?」
私もブラコンだが、泰ちゃんも結構シスコンだと思う。
部屋から出てこない妹を心配して、わざわざご飯を運んでくれるお兄ちゃんを持って、私は幸せだな…なんて思った。
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