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「椎ちゃ~ん」
1階から、ママの声が聞こえて、慌てて起き上がった。
「何~?」
ドアから少し顔を出して私もママに叫んだ。
「湊が来たから降りてきなさーい!」
あ……
来ちゃったんだ…
「…今いく」
ほんとは行きたくない。
階段を降りる足取りがなんだか鉛のように重い。
頭はフラフラしていて、真っ白だ。
やっと階段を降りてリビングへ向かうと、学校が終わってから直行で来たのか、先生はスーツを着ていた。
「おお、瀬戸」
いつもと同じ、無邪気な笑顔に胸が締め付けられる。
「…こんばんは、先生」
「椎ちゃんの担任が湊なんて知らなかったわ~。すごい偶然よね~」
ママ……
ごめんなさい。
私は…………
………先生が好き。
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