同居生活

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吐き気も治まった頃、私と泰ちゃんは再度リビングへ向かった。 幸い、ママと先生は私たちがキスシーンを見ていたのを気付いてないようだった。 「椎ちゃん、ママのヨーグルト買ってきてくれた?」 パタパタとスリッパの音をたてながら私に駆け寄るママに、私は作り笑顔を向ける。 「もちろん♪あ、水城先生にコーヒーも買ってきましたよ。ブラックでいいですか?」 内心ドキドキしながら水城先生に尋ねると、彼は小さい笑顔を見せながら“さんきゅー”とコーヒーを受け取る。 その笑顔に胸をキュンとさせながらも平然を装う。 彼がブラックが好きなことは知っていた。 甘いものが嫌いでお酒を結構飲むらしい。 犬より猫が好きで、今はアパートで1人暮らし。 私の知っている情報はこれくらいだ。 あ、言い忘れ。 先生は29歳。 だけどママは36歳。 ママは高2で妊娠、高3で泰ちゃんを産んだ。 ママは当然高校を中退。 20歳の時に私を産み、30歳の時にパパと離婚して、6年間私と泰ちゃんを1人で育ててくれた。
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