恋路の行方

2/38
前へ
/423ページ
次へ
「バカ野郎っ!!」 朝、学校に着くなり大和に抱きつかれた。 「やめて。誤解される。ユズちゃん泣いてる」 「あわわっ!違う、ユズ!これは友情のハグで…」 大和は慌てて私から離れ、後ろを振り返って言い訳するも、そこにユズちゃんはいない。 「あれ…?」 「ふっ、間抜け顔。ユズちゃんはまだ登校してきてないよー」 騙された大和は怒りに震えている。 「てか、さっきの何?なんでバカにバカって言われてるわけ?」 「てめぇ…っ…!……落ち着け、俺」 なんだ… いつもの大和じゃない…。 「お前、転校すんだろ?水臭ぇな!なんで言ってくんねぇんだ!」 大和の大声で叫んだ言葉は、教室中に響き渡る。 「え……」 なんで転校決定になってんの? つか、誰から聞いたんだ!? みんながザワザワしだし慌てていると、後ろから思い切り抱きつかれた。 本日2度目。 誰?と思い振り返ってみると、目に涙を浮かべる咲蘭ちゃん。 「ど、どうしたの…?咲蘭ちゃん?」
/423ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2526人が本棚に入れています
本棚に追加