2526人が本棚に入れています
本棚に追加
「バカ野郎っ!!」
朝、学校に着くなり大和に抱きつかれた。
「やめて。誤解される。ユズちゃん泣いてる」
「あわわっ!違う、ユズ!これは友情のハグで…」
大和は慌てて私から離れ、後ろを振り返って言い訳するも、そこにユズちゃんはいない。
「あれ…?」
「ふっ、間抜け顔。ユズちゃんはまだ登校してきてないよー」
騙された大和は怒りに震えている。
「てか、さっきの何?なんでバカにバカって言われてるわけ?」
「てめぇ…っ…!……落ち着け、俺」
なんだ…
いつもの大和じゃない…。
「お前、転校すんだろ?水臭ぇな!なんで言ってくんねぇんだ!」
大和の大声で叫んだ言葉は、教室中に響き渡る。
「え……」
なんで転校決定になってんの?
つか、誰から聞いたんだ!?
みんながザワザワしだし慌てていると、後ろから思い切り抱きつかれた。
本日2度目。
誰?と思い振り返ってみると、目に涙を浮かべる咲蘭ちゃん。
「ど、どうしたの…?咲蘭ちゃん?」
最初のコメントを投稿しよう!