恋路の行方

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「お前らも教室入れ」 先生は私の前に立ちはだかり、出席簿で私の頭をペシッと叩いた。 「はーい…」 頭を叩かれたのに、すごく嬉しい…。 私、もしかしてMなのかな? 少し気分よく自分の席を見ると、テンションは一気にガタ落ち。 先ほどグミちゃんがやっていたゲーム器が、なぜか私の机に置いてある。 しかも、教壇にいる先生はそのゲーム器を見たあとに私の顔を見てため息。 グ、グミちゃぁ~ん! グミちゃんに、お前のせいだ、という視線を送るけど、彼女は何事もないように私の視線を華麗に無視している。 おのれ、グミちゃんめ…。 そうしてる間に先生はニコッと笑いながら私のところまで来て、ゲーム器を持ち上げた。 「瀬戸~?これはなんだ?」 そういえば、水城先生って生活指導の担当だっけ!? 「わ、私のじゃありません!」 ほんとに私のじゃないもん! グミちゃんのだよ! 「…まさか認めないつもりか?ならどうしてお前の机の上にあった?」 「グミちゃん、が…」 「人のせいにするのはよくないぞ」 じゃあなんて言えばいいのよ! ほんとにグミちゃんのゲームなんだから!
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