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「…先生。最初に言っておきますけど、あのゲーム器はグミちゃんので、私のじゃありません」
「知ってる」
「…は?」
知ってるならなんで呼び出しなんて…。
「お前と話したかったんだ。2人で」
え……
心臓がドキドキと鳴り響き、期待してしまう。
「引っ越しのことで」
……ああ。
やっぱりそうゆうオチ?
「……家族で話し合ってみたんですけど、今のところは引っ越すことは決定みたいで…」
「…そうか」
少し考えたあと、先生は私に向かって手招きをした。
頭の中にハテナを浮かべながら先生の前まで行くと、座っていた椅子から立ち上がり、私の頭に手を置く。
「…!?」
何事だ、と目を見開く私を余所に、頭をワシャワシャと撫でる先生。
「せ、先生…?」
なぜ撫でられてるの、私?
「いや、なんとなく」
なんとなく!?
意味わかんないよ、先生!
「…今日、お前の家に行く。お前の父親と菜月さんを説得してみる」
「…はい」
先生、ありがとう。
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